新しい考え事

ここ数日間は自由を満喫・・・
と、いいながら、研究室にいると集中できない「勉強」ってやつに専念。
やはり、駒場のカフェは落ち着いていて、BGMも落ち着いたものばかりなので勉強には持って来い。
自分にとっては面白い論文が最近立て続けに出たので、それらを読みあさり・・・よくよく考えてみると、突っ込みどころ満載の論文たちでしたが、アイディアとか、証明しようとしているポイントが面白い。あと、これまで様々なグループによって積み上げられてきた膨大な知見が生かされている点が、なんか羨ましいような、素晴らしいような。もちろん皆で同じ方向に向かっていたら、それはそれでまずいですが・・・また研究室の愚痴を書いてしまいそうなので、ここまで。
代わりに、新しい考え事の話を。
去年の暮れ、ついこの間と、Robert Glasper EXPERIMENTに行ってきたわけだが、Casey Benjaminというヒトがsax/vocoderで入っていた。このBenjaminさんの演奏を聞くまでは、姉さんはvocoderとかシンセサイザー系の楽器が、実は大嫌いだった。
なんというか、アコースティックな音しか許せない時期があった、というか。そういえば写真撮る時にフィルターをかける、とか、撮影後の写真に手を加えることも嫌いだったな。
去年このヒトの演奏聞いた時、実は自分がvocoder嫌いではないということに気付いた。厳密に言うとvocoderもセンス良く使えば、むしろ音楽に豊かな表情がつくということに。そして、ちょうどあのコンサートに行ったあたりの時期に、自分が変化し始めていて、アコースティックな状態に手を加えて、アートをさらに「形作る」感覚が分かるようになっていたらしい。Benjaminが入った音楽はすんごいカッコよかった。
で、今年行ったコンサートでよりBenjaminさん自体(あと髪の毛)に興味が湧いたので、YouTubeでBenjamin巡りを決行。
そこで、偶然大好きなGlover Washington Jr.と共演しているビデオを発見したり、もとはSaxophonistだったことを知った(あと、髪型が高校時代以来着々と変化していること)。10年近く前のコンサートの映像を開いてみたりして、一通り楽しんだ挙句・・・CDを出しているのか気になり、探した結果、自分自身でproduceして、どっかのレーベルで出す、みたいなことはあまりしてないらしい。良さげなCDがあれば、その画像でも載せようかと思ったんだが。他のアーティストのCDに入ることが多いみたいね。
そういう能力が無いヒトなのかしらん。良く分からないけれど、Rob. G.との共演ではvocoderで良く映えていました。
Chris Dave(Rob G trioのdrums)も、自身のバンドの中でプレイしている時よりも、Rob Gのバンドでやってる時の方がカッコ良い気がする。
Rob.さんが、むしろこの人を生かすのが上手いのかしら。それとも単に姉さんの趣味の問題か?ただ単に、姉さんはRobさんの音楽センスが好きで、その中に取り込まれてRob色に染まったBenjaminやChris Daveが良く見えるというだけなのだろうか。
まんまとRobさんのEXPERIMENTの術中にはまっている姉さん。
Robさんの古いアルバムでも手に入れながら、もうちょっと彼の”Research”について思いを巡らせてみようかと思ったりするのが、最近の新しい考え事。

Robert Glasper @ Billboard Live Tokyo

昨日は東京ミッドタウンにあるBillboard Live Tokyoまで、Robert Glasperを見に行きましたよ。
forblog711.jpg
http://alternate-takes.com/2011/05/23/the-robert-glasper-experiment-musical-thoroughfare-in-paris/attachment/280/
良かったです。良かった、というのは自分が丁度求めていたものだったから。それを文章で表すのは非常に難しい。1つ言えることは、自分が仕事からもうリタイアして、田舎で非常に精神的にも、物質的にも満たされた状態で暮らしている老いたヒトだったら、こんな音楽は聞かないだろうということ。かといって、自分が高校生時代にこのような音楽を好んだかというと、それもないと思われる。
ヒトによって、ある音楽に惹かれる理由はそれぞれだ。
例えば、ボーカルの容姿が格好良いとか、ドラムがすごいとか。
そのヒトの中の何かが、その音楽の持つある要素にシンクするから、という理由もあるだろう。
姉さんが今、このバンド(特にCasey Benjaminが入った状態)の音楽、特にLiveが好きな理由は、おそらく後者だ。それ以上は書かないけどね。
本当はBlueNoteに来てほしかったなー。
--------------------------------------------------------
最近カメのエサ、やけに減りが早い。よくよく考えてみたら、シイタケ君がぐんぐん成長しているのでした。
いちいちあのテトラレプトミン(220g)を買いに行くのが面倒だし、最近渋谷の東急ハンズも値上げして、1つ2100円以上する。
結構な出費。オンラインで半額でまとめ買い可能なことに気付き、6つ購入してみました。

サボテンさん

サボテンさんが、今年もお花を咲かせた。毎年開花するが、今年の花の数は例年の約2倍。
forblog709.jpg
きれいですな。光の反射の仕方が、一般的な花とは違う気がする。
このサボテン、実は既に10年以上は育てている。記憶があいまいだが、小学生の時に購入したのではなかったか(当時から植物育てるのにハマっていた)。下手をすると、ジロよりもうちに来てから長いのか。
ところで、一体今年の気候の何がそんなに好きだったのでしょうね・・・

シイタケ君

シイタケ君は、姉さんとジロに対して発情しているらしい。
つまり、二股である。
姉さんもカメだと思われているらしい。
でも、やはりジロに対してしつこい。
forblog706.jpg
兎に角、追いかけまくる。
forblog710.jpg
そして、キスを?せまる。
forblog705.jpg
で、怒られる。
不思議なことに、ジロはシイタケを怒る際に口を開けていても、噛みついたりはしない。一応カメマンション(2匹の水槽は積み重ねてあり、2階建てになっている。)の隣人として、存在を認めているのだろうか。

鳩サブレ

ピっちゃんを見ていると良く思うこと。
forblogs704.jpg
なんか、シルエットが鳩サブレ(トサカ以外)みたいだ。
オカメインコを飼うまで、インコやオウムがこんなに膨らむとは思わなかった。しかし、膨らんだり、逆に毛を体にぴったり密着させて細くなったりするのは一種の、感情の表現方法なのだ。
変なの。
ジロ達も体いっぱい使ってコミュニケーションをとって来る。
ラボの状態が悪くても、一応自分なりのスタンスを崩さずにいられるのは、たぶんこうして自分を必要としていて、そしてコミュニケーションをとろうとしてくれる存在がいるからなのだろうな。

辟易

自分を救済できるのは、この状況に於いては自分だけ。
そう考えるしかない。
同期3人のうち2人は、コンピテントセルも作製できないのに博士にいく。なんかすごい基礎的な実験ができないことを恥じている様子もない。その片っぽは、キットのプロトコルすら自ら読むことをせず、いつもいつも博士やポスドクにつきっきりで実験を「習って」いる。どちらも自分より1つ年上。大きな赤ん坊か。小学生か。
残り1人は就職活動もしてなければ、実験データもない。
だらだら的を得ない(というか得ようとしていない)実験を続けて、論文も書かず、院生の指導もろくにできないポスドク達。セミナーで、自分たちの指導力の無さを大公開しているのにも関わらず、姉さんが研究指導を頼まなくなったことを不思議に思っているらしい。信頼できない、又は実験・研究能力に問題がある人間に指導を頼まないなんて、普通のアンテナがついている人間の至って常識的な判断ですが。自分でイニシアチブとって実験して失敗する方がマシ。
博士を出た学生をそのまま特任研究員として抱えて、管理しないボス。学生のことを本当に思っているなら、博士卒業したヒトを強制排除して、外部からヒトを雇って欲しい。「好きなようにさせる」というのは、やはり「想っている」「指導する」とは程遠い。ただの放置だよ、これは。放置してきた結果が現在の状態で、ほぼ集大成に近い。プライドがかなり高いので、確実にこのまま降下を続けるだろう。
結局、ここから脱出するには、誰にも頼らず、そういうのを見て見ぬふりして勉強していくしかないわけだが・・・毎日の異常な光景は、無視していても自分にストレスをかけている。もう少しストレス耐性が欲しいもの。
それでも、時折さりげないアドバイスをくれるヒトが2人いるだけでマシか(全く別の研究グループのトップとポスドクだという点が皮肉で哀しいが)・・・自分も将来彼らのようなアドバイスを、下の人間にたいして授けられるようになりたい、と自然に考えるようになった。
そのためには、ストレスが溜まるとしても、アンテナを引っ込めてはならないと思う。

アケビコノハ発見

今日は某公園内でジョギング中に、とんでもないものを発見。
forblog701.jpg
forblog702.jpg
アケビコノハの幼虫。図鑑では度々お目にかかっていたものの、実物は初めて。
この色違いの終令幼虫2匹以外に、2令幼虫をゲット。合わせて3匹を誘拐した。ジョギングは虫捕りをしたせいで早めに終了。
アケビコノハの幼虫がいなかったら、そんなところにアケビが生えていることなど気がつかなかった。何株のアケビがあったのかは確認していないが、明らかに20頭以上は幼虫がついていた。都会でも、アケビって生えてるのか。
9月は姉さんにとって、1年の中でムシ観察最盛期。カメラを持ってジョギングした方が良さそうだ。
ところで、アケビコノハの幼虫は一体何に擬態しているのだろう。目玉模様と同じ色でハイライトされた稲妻のような模様は一体・・・この間のサザナミスズメが葉に擬態しているのと違い、こっちはまるで、捕食者を脅すかのような模様。
捕食者が色をどのように感じているのか知らないけれど、ハイライトされた部分に鍵があるのではないかと思い・・・そこが目立つように画像操作したら何か見えるかなと期待したんだが・・・
forblog703.jpg
何に見えますかね。
明らかに目玉が2つ、こっちを見ている。蛇の妖怪にしか見えないのは姉さんだけでしょうか。
--------------------------------------------------
Alison、世話を辞めてみたものの・・・世話をしていないケージの汚さと、餌と水を探し歩くAlisonさんの姿を見かねて、やっぱり飼い続ける(世話を続ける)ことに。今まで甘やかしていたせいか、夏の1ヶ月の断食(飲)では殆ど弱らず。ただ、痩せたらしく、以前よりも殻の奥まで引っ込めるようになった。
というわけで、唯のダイエット期間みたいになってしまうわけだが・・・
たぶん、ヤドカリの欲求に完全に答えようとするから世話が大変になるのだろうな。
再入国に関しては・・・うん、作戦を練り直そう。

Work Ethic

今週のNatureをチラ見していたら、
“Work ethic: The 24/7 lab” Nature Vol. 477 (2011)
という記事があった。
“Many labs are renowned for their intense work ethic and long hours. But is this really the best way to do science?”
なんて書いてあったので、つい読んでしまったのだが、なんともまとまりのない記事だった。結局、上記の問いに対する答えと言うか、筆者自身による考察みたいなのが無かった。
ただ、そこに書かれていた事実は面白かった。
アメリカに実在するintenseなラボ、top11のうち1つ(実名で紹介している)にお邪魔して、本当に効率よくラボが回っているのか、学生などがどう暮らしているのかを取材したもの。ちなみに、他10コのラボは取材拒否したらしい。
取材に応じたラボは、医学部外科系。そのラボでは、文字通りほぼ一週間、毎日24時間メンバーが仕事をするらしい。そして、その仕事量に見合うだけの論文を出しているという、驚異的な効率の良さ。そのペースの早さと、厳しいwork ethicにも関わらず、一員になることを希望するヒトが少なくないらしい。もちろん、過去にその早さに付いていけなくなったヒトが結構いるそう。
日本だったら大抵の場合、そういうヒト達はポイ捨て、行方知らずとなるだろう。このラボのPIも、そういったヒト達には去って行ってもらう。しかし、決定的に異なるのは、メンバーをしっかり日頃から観察していて、「合っていなくて苦しそうだ」と分かった時点で積極的に辞めさせ、その一人一人が活躍できそうな(若しくは再出発を図れそうな)就職先をちゃんと見つけて、人材を移動させているところ。
結局、long hoursに耐え、効率よく研究が行えるヒトのみが選択されていくというわけ。毎日ファストフードでも、家ではベッドしか自分を待っていなくても良いけど、研究に関してAutonomyが欲しいというヒト達がそのラボの主要構成員らしい。つまり、彼らはLab Slaveではない。
アメリカでは当たり前にあり得ることだが、今自分がいる環境からは、そんな風にPIのニーズとその下で働く方のニーズががっちり噛み合っている状態など想像もできない。読んでいて、なんだか清々しい気分になった。
ただ、Is this really the best way to do science? というのは愚問ではないかな。まず、前提として、サイエンスがどのような状態にあるのがベストか、研究者によって異なる見解があるだろう。分野によっても大きく異なるはず。そして、それぞれ、人生の何処にプライオリティを置くか、というのも異なる。ラボ自体が人間で構成され、研究結果が人間界に対して発信されなければならないものである時点で、そんなにシンプルに、一面的に問えることではない。