東大の論文捏造

ちょっと遅い話題だけど、そして、controversialなことはあまり書きたくないのだが、書きたいことがある。ただの感想ですが。
東大の論文捏造問題。今年の3月末に加藤教授という人が辞職したらしい。以下スポニチのニュースを引用(http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/04/05/kiji/K20120405002984930.html)。朝日にも載ってたはずなのに今は見つからない。
東大が不正疑惑を調査 論文取り下げ、教授は辞職
 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授が発表した複数の論文に、捏造や改ざんなどの不正を疑う指摘があり、東大が専門委員会で事実関係を調べていることが5日分かった。
 加藤教授は3月末、米医学誌セルに2003年に掲載された遺伝子疾患の仕組みに関する論文に、不適切なデータの処理があったとして論文を取り下げ、大学を辞職した。東大によると、辞職の理由は「一身上の都合」という。
 東大には1月、この論文を含む計24本に不正の疑いがあるとの指摘が外部から寄せられた。加藤教授の辞職後も調査は継続しており、不正があると認められた場合は処分を検討する。
 加藤教授は分子生物学研究の第一人者で、セルやネイチャーなど一流の科学誌に成果を多数発表。学会が科学的不正問題を討論したシンポジウムにパネリストとして参加したこともある。
[ 2012年4月5日 18:48 ]

この人のラボから出た論文が怪しいデータを含んでいることは、ネット上で話題になっていたので、処分が下ったこと自体に関しては驚いていない(なぜネット上で話題になったことを知っているかというと、自分のいたけんきゅーしつの研究倫理に関してかなり気になっており、他のけんきゅーしつでも同様のことが起きているのか、ネット上で調べたりしていたから)。
しかし、それ以外に驚いたというか、非常に遺憾だし疑問に思うことがある。
それは、この「事件」が実質解決されず、ラボヘッドの辞職により闇に葬られそうになっているところである。いきなり辞職という形は本当に適切な処分方法だろうか。一般的なメディアは上の記事のようにオブラートに包んで報道しているが、実際にそのラボで行われたことや、そのラボの規模を考えると、どう考えてもそんなにさらりと解決する話ではない。
まず、「捏造や改ざん」「不適切なデータの処理」とは何を指しているのか。実験データ(画像・数値等)の操作だそうだ。本当はいちいち実験して得るはずの画像を、過去に行った実験で得られた画像をもとに合成していたようである(http://www.youtube.com/watch?v=on5lmd-pxiUに分かりやすい動画がある)。要するに同じデータの使いまわし。そうして生み出された可能性がある論文が既に24本。同じ実験系の人間として疑問に思うのが、このラボの人達、普段実験していたのだろうか?ということ。もし日常的に実験を行っていれば、捏造するにしても、もっとバリエーションのある画像を揃えられるだろう。なぜ同じ画像ばかり駆使してデータを創り上げていたのか。あれらの画像操作はどう考えてもうっかりミスではないし、かと言って、ばれないように工夫して行われた不正には見えないのだ。とても不自然。
そしてこのラボの規模。実際の人数を書こうと思って探したのだが、そのラボのホームページは消えているし、魚拓も見つからず・・・何人だったかな。たしかこの核内情報分野は、加藤教授に加え、准教授の人のラボも含まれていて、総勢40人くらいだったかしら。
そのような大所帯で、どうやってそのような杜撰なデータ改ざんが行われ、長い間そのことが表にばれなかったのか。
データ改ざんが起きていることは全員知っていたのか。でも摘発しなかったのか。摘発したくても摘発できない環境だったのか。
一部の、論文執筆に関わった人達だけが改ざんを認識しており、その他のメンバーは気付かなかったのか。
それとも全員、このラボに入ったとたん、実験をサボり、データ改ざんを行い「結果」とすることが常識となってしまい、誰も何も疑問に思わなかったのか。
これらのどれが本当だとしても、説明がつかない。そんなに沢山の人間が(しかもバックグラウンドも一様ではないだろう)現場にいて、どうやったらそんなことが起きてしまうのか。そもそも、ラボヘッドの加藤さんはそれらの改ざんが起きていたことを認識していたのか。
この加藤さんを辞職させることで、それらについて何か明らかになるだろうか。ならないだろう。
この人は自分のラボで何が起きていたのか、まず自分で報告すべきなのではないか。あれだけ沢山の人を巻き込んでいる上、これまで数十億の研究費(税金。)を巻き上げていながら、論文を書くために実際に実験をしているのか定かではない(言い換えると、研究費が研究に使われていたのか、定かではない)。
あと、研究不正があった時の処分のルール(不正があったラボの教授に説明責任を果たさせるとか)はしっかり決めて、第三者機関が調査した方が良いんじゃなかろうか。不正は必ず起きるものだからこそ、ルールが必要なんじゃなかったか。

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